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リシャール・ヴィランク

ヴィランクが好きだった。

 

千葉に越してきて、自転車好きの友達ができた。

その時まで、僕は自転車について殆ど何も知らなかった。

 

ロードレース、ツールドフランス、チューブラー、W.O.etc.

 

それらが、確かに僕の人生を変えた。

 

その頃はミゲール・インドゥライン、バスクの巨人と言われた男の全盛期だった。

穏やかな人格者、という評判の彼に立ち向かうのは、キアプッチ、ツェーレ、ロミンゲル、そしてヴィランクだった。

 

他にもチッポリーニ、オラノ、パンターニ、ジャラベールという名選手たちがいた。

 

その誰よりヴィランクが好きだった。名門フェスティナのエースとして毎年マイヨ・ブラン・アポワン・ルージュを着て、山での存在感はインドゥラインに負けなかった。

ステージを取ったときには、唇に指を当て、天に突き上げるポーズ。

子供のような輝く笑顔を見せるヴィランクは、フランスの英雄だった。

 

その彼の名が、世界的に知れ渡った。それも最悪なことで。

フェスティナ事件、1998年のツールドフランスの最中、フェスティナはチームぐるみでドーピングをしていたことが発覚。選手たちは無実を訴えたが、チームはツールから撤退。他の選手たちがドーピング使用を告白する中、ひとりヴィランクは潔白を主張しつづけたが、2000年にやっと告白、制裁を受ける。

この事件で自転車レースとドーピングとの深い関係が明るみに出、今日まで続くアンチドーピングの戦いが幕を明けたとも言えるかもしれない。

 

その後ヴィランクは、ポルティ、クイックステップと移籍し、2004年には7度目のツール山岳賞を取り、同年引退。

 

今になって、当時の多くの選手がドーピングをしていたことが明らかになっている。ポイント賞常連のツァベルや、インドゥラインの連覇を止めたリースなど。

 

現在に至るまで、自転車レースは様々な改革を行っているが、残念ながらドーピングは絶えない。

 

クリーンなスポーツであってほしいという願いと、素晴らしいパフォーマンスをみたいという願いは、相容れないのだろうか?

 


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今回、Instagramヴィランクのアカウントがあり、フォローしたことで、いろいろ思い出して書きました。年をとって、白髪も増えたヴィランクはしかし、あの頃と変わらない子供のような笑顔でした。