LFJに行ってきました
La Folle Journee au Japon2017に行ってきました。
略してLFJ,なんぞやという方はまずこちらをご覧ください。
wikiにもあるように、ラ・フォル・ジュルネ、とは「熱狂の日」と訳されてますね。2009年の"Bach is back!"から行っているのでかれこれ9回にもなります。
きっと、行ったことのある方も多いのではないかと思います。
今回のテーマは"La Dance"舞曲の祭典ということで、クラシックのなかでも舞曲形式の曲を中心としたものとなっていました。
今回も何公演か聞くことができたのですが、なかでもリシャール・ガリアーノのバンドのプログラムがとても良かったです。
大好きなピアソラの、"ブエノスアイレスの秋・春"に始まって、最後はヴィヴァルディの四季から、冬と夏。
ピアソラはタンゴですが、ガリアーノはミュゼット奏者。似ていますが、使っている楽器もバンドネオンとアコーディオン。でもミュゼットもタンゴもまさにダンスのための音楽。フランスとアルゼンチンという違いこそあれ、中に流れるスピリットは同じものなのかもしれません。
久しぶりにピアソラを生で聞くことができたのですが、やはり曲の持つ迫力に背筋が伸びる気がしました。続いてのOblivion(忘却)、Escualo(鮫)も良かった…とくにOblivionはピアソラの中でもベスト5に入るので、本当に聞けて良かった。
既存の、昔ながらのタンゴをある意味破壊し、再創造したピアソラは、当時のアルゼンチンでは「タンゴ殺し!」といわれて、批判されることも少なくなかったようですが、少し前から日本でも、例えば小松亮太さんをはじめ、若手のバンドネオン奏者が出てきたりしています。そういったこともピアソラが居なければ決して起こらなかったでしょう。
ヨーヨーマが、"Soul of The Tango"でピアソラの曲を取り上げたように、クラシックのアーティストたちもピアソラの曲をアレンジして演奏しています。クレーメルなども"Tango Ballet"など何枚かピアソラ曲のアルバムをリリースしています。当のピアソラ自身、チェロの巨匠ロストロポーヴィチに"Le Grand Tango"という曲を献呈しています。
最後にアンコールで、"マルゴーのワルツ"を演奏してくれました。ミュゼットがあくまでフランスの大衆向けのダンス音楽に留まった(と言っていいのか、そこまで言い切る知識はないのですが…)のに対し、タンゴはコンサートホールでクラシックのアーティストが演奏するものになった。一人のアーティストの存在がかくも大きな影響を与えるのかと思うと、感慨深いものがあります。
もちろん、"ピアソラのタンゴ"に限っての話、とも言えますが…ピアソラを入り口に、タンゴのもっとコアな世界に足を踏み入れた人も少なくないはず。(僕もその一人です)
機会があったら聞いてみてください。きっと、新しい世界が広がるはずです。
(あとミュゼットも…よくパリのお洒落音楽的なパッケージで売ってたりしますが、本当にキレッキレのミュゼットを聞きたければ、お勧めはこちら
そしてLFJといえば外せないのが、ドミトリー・リス率いるウラル・フィルハーモニー。今回は2公演を聞くことができました。
また次回に続きます。